「出産に立ち会いは何を準備しておけばいいのか、不安でいっぱいです。」
「立ち会いをしてみたいけれど、どうサポートすれば妻の力になれるのか知りたいです。」
そう感じる方も多いのではないでしょうか?
出産の立ち会いの時に旦那さんの対応やサポート方法について、事前に準備しておくと不安が大きく軽減されます。
今回は助産師の視点から、旦那さんが出産時にできる具体的なサポート方法を5つご紹介します。立ち会いを通じて家族の絆を深めたい方に向けた、リアルな現場の助産師からのアドバイスを参考にしてみてくださいね。
出産立ち会いで旦那さんの重要な役割とは?
出産に立ち会う際のパパの役割は非常に大きいです。パパのサポート次第で陣痛がスムーズに進みます。
出産の立ち会いで求められるパパの心構え
出産に立ち会うことで命の大切さを学び、ママへの愛情や家族の一体感が深まります。また、陣痛中1番大切なのはママがリラックスできることです。
リラックスできると陣痛がスムーズに進み、赤ちゃんに会えるまでの時間も短くなります。ママがリラックスできる環境をパパが整えてあげましょう。
ママは終わりの見えない陣痛と無事に産まれるかの不安でいっぱいです。パパはママが動揺しているときにこそ、落ち着いて声をかけることでママも安心感を持てます。
また、出産前にママと陣痛が来たらどうするか事前に話し合うことで、パパも焦ったり、パニックにならずに済みます。
出産について知るに両親学級がおすすめです!病院や地域、最近はオンラインでも実施されています。両親学級で出産の流れや状況に備えておくとお互いの安心感につながります。
助産師直伝!出産立ち会いでパパができる安心サポート3選
ここでは、パパが出産時に具体的にどのようなサポートができるかをご紹介します。立ち会い時にママが安心して出産を乗り越えられるように備えましょう。
サポート1:ママを支える声かけと身の回りのお世話
ママは強い陣痛の痛みや不安を何十時間も感じるため、声かけはママにとって大きな支えになります。
「頑張っているよ」「大丈夫だよ」といったシンプルな言葉でも、ママに安心感を与えます。
また、出産時はフルマラソンを走るくらいのエネルギーを消費します。水分や食事摂取は時間が経てば経つほど、痛みが強くなるので大変です。
汗も滝のようにかきます。エネルギー不足、脱水にならないようにサポートしましょう。
子宮も筋肉なのでエネルギー不足になると、陣痛が弱くなったり、産まれるまでの時間が長引いてしまうのです。1ミリ動くだけでも電気ドリルで腰の骨を砕かれるような激痛が走ります。
陣痛が落ち着いたタイミングで、ストロー付きのペットボトルを口元に持って行ったり、おにぎりを口元に運んであげたりして下さい。
サポート2:リラックス促す呼吸法のサポート
出産時の緊張や痛みを和らげるために、リラックスできる呼吸法が有効です。
陣痛がきている時は大きく息を吸って、ろうそくの火を消すように口をすぼめて吐く息を長くする呼吸法を取り入れましょう。
呼吸がしやすいようママに声掛けをし、少しでも呼吸に集中できる環境を作りましょう。呼吸ができていても体がガチガチになっていると疲れてしまうので体の力も抜くように声掛けや背中・腰をさすってみてください。
ポイントはパパも同じようにゆっくりと呼吸を行うことです。
パパが同じリズムで呼吸をし「一緒に息を整えよう」「吸った酸素が赤ちゃんにちゃんと届いているよ」という声掛けもママの緊張を和らげられます。
サポート3:陣痛が軽減できるようテニスボールでお尻を押す
子宮の入り口が10センチ開くまでは力を入れていきむことができません。
早い段階でいきんでしまうと子宮の入り口が切れてしまったり、赤ちゃんが苦しくなってしまうことがあるからです。
子宮口が7センチくらいになると、ママは我慢できない下痢のような便意と痛みに襲われます。
その痛みと便意に数時間は耐えねばなりません。そこでパパの出番です。
赤ちゃんが体の中からお尻の方へ押していて痛みが出ているので、お尻側からテニスボールで押さえてあげるとかなり痛みが紛れます。
赤ちゃんは半端ない力で押してくるので、テニスボールを破裂させるくらいの気持ちで押しましょう。またずっと押してるとパパも疲れてしまうので、陣痛の波が落ち着いたら力を緩めましょう。
またママにどこを押されたら楽になるか聞きながら実施しましょう。難しい時はナースコールで助産師を呼んでくださいね。
出産の立ち会い時にパパが注意すべきこと2選(おまけ付き)
出産に立ち会う際、パパが意識しておくべき行動や配慮があります。
ここではママに安心感を与え、スムーズな出産をサポートするために、どのような点に注意すべきかを解説します。
「YES」か「NO」で答えられる質問をしよう
陣痛が始まり波が強くなると会話をすることが困難な状況になります。
1番は望んでいる行動を察して、してあげることが理想ですがなかなか難しいです。
そのような時は「飲み物のむ?」「〇〇する?」など「YES」か「NO」で答えられる質問をしてあげるとコミュニケーションがスムーズになり奥さんの負担やストレスも軽減されます。
また、出産時の恨みは一生残りますのでNGワードやNG行動は絶対しないように事前にチェックしておきましょう!
・「何すればいいの?」
・「いつ頃生まれそう?」
・「やってあげてる感」
・「つらそうだね、痛いの?」
・「全然余裕そうだったね」
頑張れではなく、一緒に頑張ろうという意識を強く持って臨みましょう!
ママのプライバシーを守る行動と気遣い
出産は非常にプライベートな経験です。パパは、ママのプライバシーを尊重することが大切になります。
特に陣痛中は自分の身なりを気にしてる暇もありません。
陣痛中に義理の両親が面会に来てしまったりするようなことはないようにしましょう。
また、陣痛中は吐き気や嘔吐、ゲップが出てしまうこともあります。ママが気を使わずに済むよう、そっと背中をさすったり、見守る姿勢を心がけましょう。
あくまで彼女の気持ちを尊重し、必要なときにサポートを提供する姿勢が重要です。
おまけ:出産の立ち会いができない場合の代替案
パパの仕事や体調によっては、どうしても出産に立ち会えない場合もあります。このようなときには、妻の母や友人に立ち会ってもらう方法も検討しましょう。
また、出産立ち会いができない場合でも、ビデオ通話を通じて妻を励ましたり、メッセージで気持ちを伝えることも有効です。
直接の立ち会いが難しくても、リモートでのサポートがママにとって心強い支えになります。
出産立ち会いに向けたパパの準備と持ち物リスト
ここでは、パパが持っておくべき持ち物と、心構えについて説明します。しっかりとした準備を整えることで、出産に集中しやすい環境を整えることができます。
陣痛の時に必要な持ち物
出産の立ち会いは事前に必要な持ち物を揃えておくことが大切です。
入院は急なことが多いので、いざという時に落ち着いて対応できるようにしておきましょう。
・財布(小銭を入れて)
・保険証
・携帯電話の充電器
・母子手帳
・必要書類、印鑑
・筆記用具
・パジャマ(前開きタイプ)1セット
・夜用生理パッド
・産褥ショーツ(股の部分がマジックテープのもの)
・フェイスタオル2枚
・院内用スリッパ
・スキンケアセット
・髪の毛のゴム
・ウエットシート
・飲み物500ml(スポーツ飲料・お茶・水)1本
・ストロー
・飴やお菓子
臨月には陣痛バッグを玄関先において、いつでも持っていけるように準備しておきましょう!
出産当日に慌てずに対応でき、ママへのサポートへ徹することができます。
立ち会い時の服装と配慮すべきポイント
長時間の立ち会いに備え、動きやすい楽な服装を選びましょう。
また、荷物を置く場所が狭いこともあるためパパの荷物はコンパクトにまとめておきましょう。
よくある質問(FAQ):出産の立ち会いに関するパパの疑問解決
ここでは、立ち会いのタイミングや疑問にお答えし、不安を和らげるための情報を提供します。
旦那が立ち会うタイミングはいつがベスト?
出産に立ち会うタイミングは、産院によって下記の2パターンに分かれます。
①陣痛室から立ち会いができるパターン
②子宮口が開いて、いきめる状態の分娩室から立ち会えるパターン
ただどちらも陣痛の最初は自宅で待機して過ごすことが多いので、今回ご紹介した内容は自宅でもぜひ実践してみてください。
そもそも入院のタイミングは、陣痛が規則的になり、初産婦さんは5分間隔、経産婦さんは10分間隔になったタイミングで入院になることが多いです。
しかし、破水した場合や既往歴などによって異なるため、事前に入院のタイミングと立ち会いのタイミングがいつになるのかは産院に確認しておきましょう。
旦那が出産立ち会いに消極的な場合の対応策
パパが出産立ち会いに対して不安や消極的な気持ちを抱くこともあります。これは決して珍しいことではないです。
立ち会いに向き・不向きがあるので、それは夫婦でしっかり話し合いましょう。
血液が苦手だったり、妻の苦しむ姿を見たくない、1人の女性として見れなくなる可能性があるかもなど、立ち会いに抵抗を感じる場合は無理に参加する必要はありません。
産まれてから分娩室に行けるようにするなどママや産院と話し合い、お互いの気持ちを共有することが大切です。立ち会いの代わりにリモートでのサポートを行う方法や、家族に代わりをお願いする方法も検討できます。
ママがリラックスして出産を迎えられるよう、自分に合ったサポート方法を選びましょう。
まとめ:出産の立ち会いでパパが家族の絆を深めるために
出産の立ち会いは、夫婦が共に新しい命を迎える特別な機会です。この経験を通じて、夫婦の絆を深めることができます。この記事で紹介したポイントをもとに、イメージトレーニングをしてからぜひ本番で実践してみてください
立ち会いがもたらす家族の一体感と信頼関係
立ち会い出産を通じて、ママの苦労や痛みを間近で感じることができ、夫婦としての絆がさらに深まります。
ママが陣痛に集中できるようにパパが寄り添う姿勢は、ママの心の大きな支えとなります。出産に立ち会うことで、父親としての自覚も強まり、育児における役割も積極的に取り組みやすくなるでしょう。
出産の立ち会いは一時的なサポートではなく、出産後もママを支え続けるための第一歩です。育児が始まると、ママはさらに大きな責任を抱えることになります。
出産の立ち会いをきっかけに、パパも積極的な育児参加を心がけ、家族としての絆を深めることが大切です。最後に出産の立ち会いに向けて、まずはママと話し合い、お互いの期待や不安を共有することから始めましょう。
出産後も家族として共に育児を楽しむ準備を進めていきましょう。